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メニエール病の検査・診断
検査

メニエール病の検査は主に聴力検査とMRIです。

診断

メニエール病の症状としては、回転性の激しいめまいが何の前ぶれもなく突然起こり、吐き気や嘔吐を伴います。これらの症状は通常2~3時間続きますが、まれに24時間近く続くこともあります。発症した側の耳に、閉塞感や圧迫感が周期的に生じます。

聴力に変動がみられ、数年かけて徐々に悪化していきます。耳鳴りは恒常的な場合も断続的な場合もあり、めまい発作の最中や前後に悪化することがあります。難聴や耳鳴りは、普通は片側の耳だけに起こります。めまいと、片側の耳の耳鳴りと難聴という典型的な症状がみられれば、メニエール病が疑われます。

聴力検査を行い、ときにMRI検査も実施して、ほかの原因がないか調べます。減塩食と利尿薬によって発作の頻度を減らせる場合もあります。

診断基準

日本めまい平衡医学会の診断基準では下記の1)2)3)を満たせばメニエール病と確定診断とする。また、1)と3)、あるいは2)と3)のみの場合にはメニエール病の疑いとする。

  1. 数十分から数時間の回転性めまい発作が反復する。
  2. 耳鳴り・難聴・耳閉塞感がめまいに伴って消長する。
  3. 諸検査で他のめまい・耳鳴り・難聴を起こす病気が鑑別できる。
鑑別診断

メニエール病と鑑別すべきめまいを症状とする疾患には外リンパ瘻・良性発作性頭位めまい症・前庭神経炎・突発性難聴・内耳炎・真珠腫性中耳炎・脳腫瘍・自律神経失調症・聴神経腫瘍・椎骨脳底動脈循環不全症・頸性めまい・心因性めまい・貧血・低血圧症・高血圧症・低血糖症・甲状腺機能異常、過換気症候群、薬剤によるめまいなどがあります。

とくに外リンパ瘻や突発性難聴、心因性めまい・自律神経失調症、聴神経腫瘍、内耳炎、真珠腫性中耳炎などはめまいと聞こえの症状の両方を伴いメニエール病に似ているため、特に注意して鑑別することが必要です。近年、メニエール病と診断されている患者の中に、実際には外リンパ瘻患者が多く含まれています。

経過

メニエール病は内耳の病気なので、生命に危険をおよぼすようなことはありません。病気が完成しないうちに、早期の診断と治療を始めることによってメニエール病の進行をくい止め、または治癒させることができます。しかし、病気が完成してしまい、めまいと難聴の悪化と軽快を繰り返しているうちに、身体の平衡の乱れや難聴が進行し不可逆性になってしまいます。