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不全型・メニエール症候群
不全型

診断基準を満たさず厳密なメニエール病ではない亜型メニエール病として、蝸牛型メニエール病と前庭型メニエール病、レルモワイエ症候群があります。

蝸牛型メニエール病

メニエール病と同じく内リンパ水腫を原因とするが激しい回転性のめまいを伴わなく、低音が聞こえにくい難聴・耳鳴り・耳閉感・ふらつきを主症状にし、状態がよくなっても再発を繰り返し、再発を繰り返した後にメニエール病に移行することが多いです。

内リンパ水腫を原因とするのでメニエール病の軽症である不全型メニエール病です。内リンパ水腫を原因とする低音障害型感音難聴とほぼ同義の病気であり、診断名を蝸牛型メニエール病とせずより広範囲な概念である低音障害型感音性難聴とすることもあります。

前庭型メニエール病

メニエール病と同様の激しい回転性のめまいを繰り返しますが、メニエール病と違い難聴・耳鳴り等の蝸牛症状は伴わないです。

内リンパ水腫を原因としていないものにこの診断名がつけられることもあり、実際には前庭神経炎やその他椎骨脳底動脈循環不全症・頸性めまいなどのめまいを症状とする病気にこの診断名がつけられている事が多く、内リンパ水腫を原因としていない疾患に「メニエール」の名前をつけることは本来はふさわしくなく、前庭型メニエール病との診断名を用いる場合は、これがメニエール病の不全型であるとの確証がないことを念頭におき原因検索に努めるよう求められています。メニエール病に移行する事は少ないです。

レルモワイエ症候群

内リンパ水腫を原因とするが、蝸牛と前庭で内リンパ水腫が生じる時期がずれるため、難聴や耳鳴りとめまいが同時には生じない。難聴や耳鳴りが先行して生じ、長期に続いた難聴や耳鳴りがピークに達したあと、続いてめまいが生じると難聴や耳鳴りがとたんに軽快するといった特異な経過をたどります。

メニエール症候群

メニエール症候群という概念が原因を問わず「めまい」「耳鳴り」「難聴」の三点セット症状がそろえばメニエール症候群とする広範な概念のものであったため、現在でも医師によっては、内リンパ水腫を確認出来ず診断基準も満たさないめまい患者に安易にメニエール病の診断名をつける者が多く、日本めまい平衡医学会では、メニエール病の診断名をつけるに当たってはめまい症例に安易にメニエール病の診断を行うことは適当でないです。診断基準に従った診断を行う必要があります。